ファンダメンタルズ分析をご紹介
ファンダメンタルズ分析は、テクニカル分析と同様FXには無くてはならない分析方法の一つです。
チャートを確認するのではなく、世界のデータ・統計等を利用して、その先の動きを予測します。
ファンダメンタルズ分析のは弱点は、どのタイミングでエントリーすべきかわからないということですが、だからと言って見過ごしていい分析方法ではありません。
今回の記事ではファンダメンタルズ分析の基本について紹介します。
そもそもファンダメンタルズとは何か
FXをこれから始めようという方は、ファンダメンタルズの意味がまずわからないかと思います。
ファンダメンタルズとは、fundamentalsと書き、「基礎」という意味になります。
この場合の「基礎」とは、経済の基礎的な要因を示しています。
つまり、ファンダメンタルズ分析は、直訳すれば、「経済の基礎的な要因の分析」という意味となります。
ファンダメンタルズ分析の主な目的は、その国の経済が健全か健全ではないかの根拠をみつけることです。
そして、この経済の基礎的な要因の特徴としては、なかなか変化しにくい点にあります。
通貨は1秒毎に価値が変動しますが、一国の経済が好調か、不調かを表す数値はなかなか変わるものではありません。
ファンダメンタルズ分析はその数値を利用して分析を行うことで、長期的な視野で為替の動きを予想するのに利用されるのです。
経済の基礎的な要因とは?
それでは、ひとまず経済の基礎的な要因とは以下のようなものを指します。
- 金利
- GDP(経済成長率)
- CPI(消費者物価指数)
- 財政収支の割合
- 米国雇用統計
- 小売売上高
- 鉱工業生産指数
どれも一瞬で変わるものではないです。
いきなり金利が10%も上がったりすることは、もちろん考えられません。
これらの情報は随時取り入れていくことで為替の変動を予想するヒントとなります。
金利の上昇とは何を意味するのか?
それではファンダメンタルズ分析の例として金利の考え方を紹介いたします。
身近な例で定期預金の金利から考えてみましょう。
定期預金の金利が高くなれば、当然銀行にたくさん預金したくなりますよね。
預金するには当然その国の通貨を手に入れなければ、預金ができません。
例えば
アメリカの通貨、USDで考えると、日本円を売却してUSDを購入することでUSDの通貨が手に入ります。
しかし、大勢の人が円をたくさん売ると円安になり、USDを購入するとUSD高になります。
つまり、金利が高くなると、預金をしたいがために、買いを扇動する要因となります。
(ただ、その国の経済があまりに不安定だと、金利が高くてもそこに集まるとは限りません。)
定期預金の金利は、銀行が決定するのですが、その定期預金の金利は政策金利というものでコントロールされています。
そしてFX投資をしたいという方は、政策金利を見る必要があります。
政策金利については次の項目で説明しますが、では実際に、その政策金利とは誰が決めるのでしょうか。
政策金利は、その国の中央銀行が決めます。
日本の場合は、金融政策決定会合が年間で8回行われ、政策金利を決定します。
日本の政策金利は以下のURLより確認できます。
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/index.htm/
政策金利とその仕組み
政策金利には短期金利と長期金利の2種類があります。
短期金利
日本の銀行の場合は、日本銀行からお金を借り入れることができます。
その時の金利が短期金利です。
現在日本は‐0.1%という短期金利を設定しております。
つまり、日本の銀行は日本銀行からお金を借りやすい状況になっています。
こんな状況で定期預金を通じて消費者からお金を集める必要がありますでしょうか?
答えはもちろん無いですよね。
それが理由で日本の定期預金の金利は0.002%(三井住友銀行の場合)という低い設定が行われているのです。
長期金利
長期金利は、通常10年の国債利回りのことを指します。
国債は国が借金を行うために発行します。
順番としては、まず政府が日本国債を発行します。
その後、入札をかけて「証券会社」、「保険会社」、「銀行等金融機関」が日本国債を購入します。
この時に発行される国債のことを「新規発行国債」といいます。
次に、各種金融機関が、海外投資家を含む個人投資家に売却します。
また、各種金融機関は民間以外に、実は日本銀行にも売却もします。
2020年5月22日の金融政策決定会合の報告で書かれていた「上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う。」とはこのことです。
つまり、国債を発行し、その国債で得たお金を使って給付金を市場に入れることもあれば、日本銀行が国債を買い上げることで、銀行にお金を投入することもできます。
一般的に、金利が上がれば、国債価格は下がるといわれてます。
今の国債の金利が0.1%、過去の国債が5%だとしましょう。
過去の国債のほうが高いので、その国債は売りたくないですよね。
すると、個人投資家は簡単に国債を手放しません。
つまり、国債の値段は上がります。
しかし、金利が0.1%→6%になった場合、古い国債を売却して、新しい国債を買いたい個人投資家が増えます。するとその国債の値段は落ちます。
金利が上がれば国債価格は下がる。
金利が下がれば国債価格は上がる。
長期金利の利回りで為替をよむことは非常に難しいです。
国債の大量発行はその国の信用を失い、通貨が大量に売られていく可能性があります。
反対に、国債価格が下がり、金利が上がれば、外国人投資家が円を購入して国債を買うため、円高になる可能性が高いです。
いずれにしても、どちらの可能性もありますが、メカニズムは理解しておかなければなりません。
ファンダメンタルズ分析の弱点とは?
金利一つとってみても、大まかな為替の動きはわかる可能性がありますが、ファンダメンタルズ分析には弱点があります。
結局あまりに大まかすぎて、どのタイミングで円が買われたり、売られたりするかがわからない点です。
ファンダメンタルズ分析だけではなく、テクニカル分析などその他の手法も取り入れて、判断していく必要があります。
米国雇用統計などは、基本的に毎月第一金曜日に発表される傾向があり、その際の上下幅が1円近く変わることもあります。
FX投資をされている方にとって非常に大事なイベントです。
ただあまりに利幅が大きいので、FXを始めたばかりの方は、この日の売買は避けておいたほうが無難かと思います。
データ分析は自身の投資データからも
金利一つ取ってみても、経済の大まかな動きは見えるようになります。
もちろんテクニカル分析と併せて確認することで、今後のエントリーのタイミング等も改善できるかと思います。
FX投資をしていれば、どの時期が大事な時なのかなどの情勢がわかってくると思いますので、自分でも統計を取っていくことで、さらなる分析のデータになるでしょう。